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2009/01/30(金)

「 学 校 だ よ り 」 平成20年度1月号

Posted by 校長 野口直人 at 10:38 午前
Edited on: 2009/01/30(金) 10:55 午後
Categories: 001_お知らせ, 002_校長より

「脱ケータイ宣言」

校 長  野 口  直 人

 いじめについて、大変深刻な問題として、マスコミが大きく報じてから2年がたちました。もう、いじめは、なくなったのでしょうか。

  さいたま市立中学3年の女子生徒が、昨年の10月、自室で自殺しました。当初、保護者は、前日に叱られたことを苦にして自殺したのかと思っていましたが、その後、遺書が見つかりました。
  7月に、この生徒は同級生からいじめを受けていました。同級生からのネットいじめでした。「プロフ」と呼ばれる携帯電話のサイトに、「きもい」とか「うまくすれば不登校になるかも」などとこの生徒を中傷する書き込みがあったのです。生徒は、7月初旬、6日間学校を欠席しました。学校の調査で、同じクラスの女子2人が書き込みを認め、謝罪し、生徒は登校を再開し、自殺するまで1日も欠席していませんでした。なのに、・・・・・・・・・・・・
  見つかった遺書には、「もう疲れました。なのでここで逃げます。・・・私は、○○中学校が大大大・・大嫌いでした。プロフにあんなことを書いた●●たち、復讐はきっちりしますからね。楽しみにしていてください。さよなら」と書かれていました。

  非公式のインターネット掲示板「学校裏サイト」や、自己紹介などが目的の携帯電話用サイト「プロフ」などへの書き込みによるいじめに関する、文部科学省の平成19年度全国調査では、前年度より約1,000件増の約5,900件が確認され、いじめ全体の約6%を占めています。江戸川区でも、平成20年5月に実施した「携帯電話利用に係わる生徒指導上の対応についての調査」において、「プロフ」での誹謗・中傷のトラブルが何件か報告されています。
  平成20年10月9日には、東京都教育委員会から、子供の携帯電話利用についてのアピールとして、「保護者の皆さんへー子供の携帯電話利用は慎重にー」、「児童・生徒の皆さんへー子供の携帯電話利用は慎重にー」、「先生方へー携帯電話の利用について指導・啓発をー」、「関係業者の方へー子供たちが被害者にも加害者にもならないためにー」の4つが出されました。このうち、「保護者の皆さんへー子供の携帯電話利用は慎重にー」を、この学校だよりのP.2、P.3に掲載しますので、お読みください。今年の1月21日、文部科学省は、小中学校への児童・生徒の携帯電話の持ち込みを原則として禁止する通知を、月内にも各学校に出す方針を固めたそうです。家庭で携帯電話を持つ個人の権利までは制限できないとしながらも、持たない方が良いとは考えてはいるでしょう。

 福岡県芦屋町は、1月20日、小中学生に携帯電話を所持しないよう呼びかける「こども、脱ケータイ宣言」を出しました。宣言は、『ケータイを持たない勇気!持たせない愛!』を求めた上、『こどもをケータイ依存やネット犯罪から守るのは、家庭の責任です』としています。私は、江戸川区立瑞江中学校として、文部科学省、東京都教育委員会、江戸川区教育委員会の指示に従うわけで、学校への携帯電話の持ち込みは今まで通り禁止しますが、家庭でも持つなとは言えません。しかし、気持ちとしては、福岡県芦屋町の「こども、脱ケータイ宣言」を強く訴えたいと思います。インターネット上での言葉によるいじめや有害サイトなどを通じて児童・生徒が犯罪に巻き込まれることを防ぐには、やはり『ケータイを持たない勇気!持たせない愛!』が必要なのではないでしょうか。どうしても持つことが、不可欠な事情があれば、家庭での携帯電話についてのルールが必要でしょう。一度、子どもに与えたものを取り上げたり、制限したりするのは、確かに親子ともに“勇気”のいることでしょう。しかし、親の子どもへの“愛”があれば・・・・・・・・・・・・・・・・!