« 2月 2010 | Main | 12月 2009 »

2010/01/29(金)

東京教師道場 部員による授業公開のご案内

本校の教育活動に日頃より、ご理解とご協力に感謝いたします。

さて、本校の丸谷大輔主任教諭は東京教師道場の道徳部員として2年間研修に取り組んできました。その研修の成果の発表として授業公開及び研究協議会を書きの通り行うこととなりました。つきましては多くの方に参観していただきたくご案内申し上げます。

1 日時 平成22年 2月 8日(月) 13:35~17:00

2 会場 江戸川区立瑞江中学校

3 内容
(1)授業公開
  時間 13:35~14:25
  授業者 丸谷大輔主任教諭
  授業会場 本校3階 2年A組
  資料名と主題名及び内容項目 「虎」個性の伸長 1-(5)

(2)研究協議
 時間  14:35~17:00
  会場 本校1階 会議室
  講師 東京都教職員研修センター授業力向上課 統括指導主事 村尾勝利先生

お問い合わせ:瑞江中学校(3651-2210) 副校長 高橋健一



2010/01/20(水)

「学校だより」 平成21年度1月号

Posted by 校長 野口直人 at 12:33 午後
Edited on: 2010/01/20(水) 12:37 午後
Categories: 001_お知らせ, 002_校長より

「 償 い 」

校 長  野 口  直 人

 ちょっと前の話になりますが、昨年の11月30日(月)の朝礼での話(「償い」の大事さ)のもとになったことをお話し致します。

  それは、10月9日(金)の19時からの、小岩アーバンプラザで行われた、江戸川区立中学校PTA連合会の学年・学級講演会のことでした。それは、落語家の桂才賀師匠の「子どもを叱れない大人たちへ」というテーマのお話しでした。
  桂才賀師匠は、1972年、桂文治に入門し、80年には三代目古今亭志ん朝門下に移籍し、古今亭朝次と名乗りました。二つ目で、今でも日曜日夕方の高視聴率番組「笑点」のメンバー(8年間)になりました。85年には、真打ちに昇進し、七代目桂才賀を襲名したのです。
  才賀師匠は、26年前ふと思い立ち、沖縄で少年院への慰問を始めたのをきっかけに、ほぼ毎月のようにボランティア慰問を続けています。少年院への慰問は、もう千回以上になるそうです。現在は、法務省少年院篤志面接委員という立場にあります。

 以下、主な講演内容です。
  才賀師匠の著作に、「子どもを叱れない大人たちへ-少年院の子どもたちから親・教師へのメッセージ-」というものがありますが、その題名のもとになったのは、子どもの作った一つの川柳『たまにはヨ  叱ってみろヨ  大人たち』です。“叱る”と“怒る”は違います。“叱る”とは、過ちを正すことであり、“怒る”とは、感情だけで愛情はないのです。子どもが万引きをしたスーパーに呼ばれた親が、「あんた、何でこんな所にいるの、塾にも行かないで」というのは、叱っているのではなく、怒っているだけなのです。  小田原の少年院の次長さんが、「子どもを非行化させる10カ条」を作られました。それは、1.幼い時から、放りっぱなしにする。2.子どもが、欲しいと言ったら、何でも買い与える。3.子どもの間違いや失敗は、理由も聞かずに怒り飛ばす。4.子どもが、どこで何をしようと気に止めない。5.兄弟やよその子と比べる。6.忙しいからと言って、食卓のだんらんは取らない。7.子どもがよいことや努力してもほめない。8.子どもの前で、夫婦ゲンカをする。9.お金こそ人生だと教え込む。10.子どもの前で法律、学校、警察の悪口を言い、社会の決まりや公共機関への敵意を植え付ける。
  少年院に入ると、最初の10日間は、「単独室(=独房)」で生活します。そこで色々な作文を書かせます。例えば、嬉しかった親の一言は「裁判官、息子がぐれたのは私の責任です」、悲しかった親の一言は「お前なんか産むんじゃなかった」、親に言いたい一言は「前みたいに、おもいっきり叱ってくれよ」などです。

 悪いことをしたら、捕まって、裁かれて、罰を受ければそれで終わりなのではありません。“償い”が大事なのです。
  今から8年前、東急田園都市線の車内で、酔った銀行員の足が少年に当たったということで、4人の少年は、その銀行員に三軒茶屋のホームで暴行を加え、死なせてしまいました。裁判の中で、少年たちは、「申し訳なく思う」とか「自分を変えていきたい」などと言いながらも、本当に反省しているのか疑問に思われるような態度でした。裁判官は、判決を言い渡した後、少年たちを説諭しました。
  刑を終えて出所したら、さだまさし「償い」という歌を聞きなさいと言う。この歌は、ある実話に基づいていました。その実話とは、・・・・・・・・・・      
  働き者のゆうちゃんは、その日の仕事が終わって疲れ果てていましたが、届け物を頼まれて引き受けました。その日は、雨が降っていたので、夜、前が見にくくなっていて、届け物を済ませた帰り、ブレーキが間に合わず、横断歩道を渡る人をはねて、死なせてしまいました。その人の奥さんにわびましたが、奥さんは、「人殺し。あんたを絶対に許さない」とゆうちゃんに言いました。交通刑務所で刑を終えて出所した後、ゆうちゃんは給料の中から、毎月、奥さんに仕送りしました。奥さんは、中も見ずに送り返しました。それでも、仕送りを続けました。7年もたって、奥さんから初めて返事が来ました。「ありがとう。あなたの優しい気持ちは、とてもよくわかりました。だから、どうぞ送金はやめてください。あなたの文字を見る度に、主人を思い出して辛いのです。あなたの気持ちは分かるけど、それより、どうか、もうあなたご自身の人生をもとに戻してあげて欲しい。」ゆうちゃんは、返事が来たことがとても嬉しかったのです。でも仕送りは、それからも続けました。それが、・・・・・・・・・「償い」というものです。