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2009/03/22(日)

「 学 校 だ よ り 」 平成20年度3月号

「新学習指導要領移行元年」


校 長  野 口  直 人

 来年度から、いよいよ新学習指導要領の平成24年度完全実施に向けての移行措置が開始されます。
  学習指導要領は、今まで大体10年おきに改定されてきましたが、現行の学習指導要領は、平成10~11年改定により平成14年度からの完全実施でした。その時の理念は、「基礎・基本を確実に身につけさせ、自ら学び自ら考える力などの『生きる力』の育成」であり、その際、教育内容が精選され(今の学力低下の原因だ?とも言われている)、総合的な学習の時間が新設されました。
  その後、今が知識基盤社会の時代だとしても、『生きる力』をはぐくむという理念はますます重要であり、教育基本法改正等によりこの教育の理念が明確になるとともに、学校教育法改正により学力の重要な要素が規定されました。

 そして今回の学習指導要領改定の基本方針は、次の3点です。
    (1) 教育基本法改正等で明確になった教育の理念を踏まえ『生きる力』を育成
    (2) 知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視
    (3) 道徳教育や体育などの充実により、豊かな心や健やかな体を育成

 中学校の教育課程の枠組みの変更点は、次の4点です。
   (1) 教育課程の共通性を重視し、選択教科は、標準授業時数の枠外で開設可とする
   (2) 国語、社会、数学、理科、外国語、保健体育の授業時数を400時間程度増加(選択教科の履修状況を踏まえると230時間程度の増加)
   (3) 総合的な学習の時間は、教科の知識・技能を活用する学習活動を各教科の中で充実すること等を踏まえ、3学年合わせて190時間に縮減
   (4) 総授業時数は、各学年で35単位時間(週1コマ相当)増加

 中学校の教育内容の主な改善事項は、次の6点です。
   (1) 言語活動の充実
    (2) 理数教育の充実
   (3) 伝統や文化に関する教育の充実
   (4) 道徳教育の充実
   (5) 体験活動の充実
   (6) 外国語教育の充実

  この新学習指導要領が、中学校で完全実施されるのは平成24年度(小学校は平成23年度)です。その平成24年度に向けて、徐々に変えていくことを移行措置というのです。そうしないと、平成24年度の2、3年生が、1、2年生のときに変更を経ないままに途中から変更を実施することになるからです。
  平成21年度の中学生は、本当は平成24年度にはかからないので移行措置は要らないのですが、一部、先行実施するところがあるのです。その主なものをご説明致します。
   (1) 直ちに実施可能な、学習指導要領の総則や、道徳、総合的な学習の時間、特別活動については、平成21年度から新しい学習指導要領の規定を先行実施
   (2) 数学及び理科については、新課程に円滑に移行できるよう、移行措置期間中から、新課程の内容の一部を前倒しして、授業時数の増加とともに実施  (選択教科等の授業時数を削減するため、総授業時数はまだ変更なし)
   (3) 新課程の前倒しに伴い、現在の教科書には記載がない事項を指導する際に必要となる教材を作成・配布
   (4) 音楽の共通歌唱教材を新たに設定(7曲から各学年1曲以上)
   (5) 数学及び理科を除く各教科は、学校判断により、新学習指導要領によることも可能とする

  以上が、平成21年度からの、新課程への移行措置でありますが、4月には、東京都教育委員会からも幼・小・中等の全保護者に新学習指導要領等の趣旨を分かりやすくまとめたパンフレットが配布される予定だそうです。
  しかし、パンフレットよりも、学習指導要領よりも、学校の授業よりも、もっともっと大事なのは、家庭学習を含めた、生徒一人一人の意欲(やる気)です。
   瑞江中学校の教育目標“自ら育つ”をお忘れなく!!